代表執行役社長 近藤 聡インタビュー

来るべき時代におけるDTCの存在意義と価値を生み出す

世界中が抱えるかつてないほど複雑で困難な問題の解決に光を当てるため、
あえて誰も手をつけなかった新しい取り組みに挑むDTC。
そこに舵を切った近藤が内に秘めるものとは?
DTCが求める人物像を含め、
未来を見据えながら今を生きるコンサルタントの信念が語られる。

img_message01.png

これからのDTCには、
社会や環境、
あるいは幸福といったキーワードがことさら重要になってくる。

― あえて基本的な質問から始めます。DTCとはどんな仕事をする会社ですか?

近藤 我々コンサルティングファームは、経営者に対してアドバイスを行うことが仕事のコアです。しかし現在のDTCは、その枠を大きく踏み出しています。たとえば社会アジェンダ。具体的な一例を挙げると、水素社会の実現に向けたプロジェクトです。すでに走り出している水素自動車の最大の利点は、CO2を排出しないことです。そのエネルギーを様々な形で活用すれば、現在の環境をさらに改善できる。それを推進させるためには官民一体となる必要がある。そこで官への働きかけも積極的に行い、この社会アジェンダを実現させていきます。

― 社会をよりよい環境にしていくことが目的ですか?

近藤 志や理念としてはそうです。その一方で我々はビジネスを行わなければなりません。社会アジェンダの取り組みで実現させたいのは新しい産業の創造です。そんな大掛かりな取り組みはコンサルティングファームの範ちゅうから逸脱しています。だから我々自身、もはやDTCを従来のコンサルファームと呼んでいいものかと疑問に思ったりするほどです。

― なぜコアを外れようとしたのですか?

近藤 最大の理由は、日本の置かれている環境が著しく変化したからです。GDPの成長率はマイナスが予測され、各市場も現実的な縮小傾向にある。それを受ける企業もコストリダクション中心の動きを見せている。となるとDTC の主なクライアントである日系企業は、同国内の競合と争っている場合ではなくなります。それはトレンドというような生易しいものではありません。世界を相手にしないと生き残れない。日系企業の現在はそれほど深刻で厳しい局面を迎えています。もはやさほど猶予はないほどに。

― あるいはDTC がクライアントを失う危機でもある?

近藤 そういう見方もあります。いずれにせよクライアントが重大な転換期を迎えているのに、コンサルタントだけが旧来の提案型を通していることには何の意味もありません。我々がいち早く新しい産業づくりに挑戦したのは、 その新しい枠組みにクライアントを招きたかったからです。要するに、クライアントに対して必要なことをやった。というか、やらざるを得なかったわけです。

― 一口に新しい産業を創造すると言っても決して簡単なことではありませんよね?

img_message05.png

近藤 もちろん困難極まりないでしょう。誰も手をつけなかった仕組みをつくるには、かつてないリスクがあり、多大な投資も必要です。一度立ち上げたら簡単にはやめらないし、ましてやすぐに見返りが得られるわけでもない。 しかし、来るべき時代におけるDTC の存在意義と価値を生み出すためには必要不可欠なチャレンジなのです。

― 存在意義や価値とは?

近藤 これは“仕事の根本”に関わることです。その作業に自分がいなくなったら困る人がいるのかと問うてみて、YESと明言できるだろうか?先にコンサルティングファームのコアについて話しましたが、我々はクライアント 自身では解決不可能で困っている課題を解決する最善策を提案するのが基本的な仕事です。その範ちゅうなら、あるいはDeloitteやDTCではなくても できるところはあるでしょう。しかし、かつて経験したことのない難題が予見されている以上、我々が先手を打てばそこで困る人たちを必ず救える。結局のとこ ろ、従来のままでは総体としてのDTCを保持できなくなる可能性があるんですね。だからこそ自分たちの存在意義と価値を賭けてコアを外れなくてはならないのです。極端に言えば、詳細なシステムは後回しでいい。それよりも、いかに社会に対して強いインパクトを与えられるアイデアを提案できるか、そこが非常に重要です。

― そのモチベーションはどこから来ているのですか?

近藤 やはり東北の震災です。会社としても個人としても、深く強く考えるところがありました。ビジネスにおいては1 円でも多く儲けることが大切という信念について何の躊躇もありません。ただ、それとは別のところで、ひとりの人間としての志はとても大事だし、仕事の根本にもかかわってくるものだと思います。志なくして働く意味はあるのかと。それゆえこれからのDTCには、社会や環境、あるいは幸福といったキーワードがことさら重要になってくるでしょう。

© 2017. For information, contact Deloitte Tohmatsu LLC. 著作権ならびにその他の利用規定については、利用規定をご覧ください。

Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTLおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTLおよびそのメンバーファームについての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。

デロイト トーマツ グループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそのグループ法人(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社、税理士法人トーマツおよびDT弁護士法人を含む)の総称です。詳細は www.deloitte.com/jp をご覧ください。